転職禁止を従業員と契約すると?

    転職を禁止する合意はどうなのか?

    勤務先が退職後に同業他社に転職を禁止する書面の作成を求めることがあります。専門的には、競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)の合意書といいます。

    人材派遣会社の従業員がこの競業避止義務(禁止期間は3年間)の合意をして、派遣先で働いていたところ、約1年後、退職して他の人材派遣会社に転職し、同じ派遣先で勤務したことが裁判となった事例があります。

    裁判所は、この事案では、勤続期間1年と対比して競業避止期間3年は非常に長い等の種々の理由を述べて、競業避止の合意を無効と判断しました(東京地裁平成27年10月30日判決)。

    事例としては参考になります。

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    住民票の不正交付の裁判

    住民票の不正交付の裁判

    探偵業務に従事する者が不正に住民票の交付を受けた裁判で、不正交付を申し出た者のほか、交付した特別区(足立区)の損害賠償責任を認めた判決があります(東京地裁平成27年12月21日判決)。

    探偵業に従事していた者は、契約書を偽造し、区役所の担当者に提示して、住民票の不正交付を受けたものです。この者には、慰謝料30万円、弁護士費用3万の合計33万円の賠償責任が認容されています。

    特別区の責任については、不正取得を疑うべき事情がないとし、職務上の法的義務違反は否定していますが、特別区の担当者に資料として示された契約書記載の名が戸籍と違っていたことについて、特別区の担当者に理由の補足的な説明を求めずに住民票を交付したことにつき賠償責任があると判断しています。

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    富裕層への課税が強化されています

    富裕層への課税強化か

    国税当局は、富裕層に特化して海外資産の把握や税務調査を行うチーム(富裕層プロジェクトチーム)を全国に拡大する可能性が高いと報道されています(納税通信第3445号)。

    現在は、東京、大阪、名古屋の3か所に富裕層プロジェクトチームがありますが、これを来年7月からは全国の国税局への設置を検討しているようです。

    対象となるのは保有する金融資産が1億円以上の納税者と言われており、本人のみならず関係者、主宰法人、関連法人などを幅広く調査するようです。

    タックス・ヘイブン(租税回避地)を利用していた顧客リスト(いわゆるパナマ文書)の流出などにより、国際的にも富裕層への視線は厳しくなっています。

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    定年後、再雇用後の賃金が低いのは違法か?

    定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、定年前と同じ業務なのに賃金を下げられた事案です。世間的にはよくある事例かと思います。

    男性3人は、定年前と同じ賃金を支払うよう勤務先の運送会社を相手に訴訟をしました。

    地裁の判決では、「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法20条に反する」として、定年前の賃金規定を適用して差額分を払うよう運送会社に支払いを命じました。政府は、同一労働同一賃金の導入に向けた作業を進めており、非常に画期的な判決とマスコミでも報道されていました。

    しかし、東京高裁は、逆転の判決を下しました。
    東京高裁は、「定年後に賃金が引き下げられることは社会的に受け入れられており、一定の合理性がある」と判断しています。

    運送会社については、正社員との賃金差を縮める努力をしたこと、退職金を支払っていること、会社の運輸業の収支が赤字になったとみられることなども考慮されています。

    更に、運送会社の賃金が定年前と比べて約20~24%下がったことは、同規模の企業が減額した割合の平均と比べても低いことも考慮されたようです。

    この判決は上告されると報道されていますので、最高裁判決が注目されます。

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    親権停止の制度知ってますか

    親権停止の制度があります

    もともと民法には、子の親権を「喪失」させる制度があります。

    ただし、親権を喪失させるまでには至らない比較的軽微な虐待事案とか、必要な医療を受けさせない(医療ネグレクト)など、一定期間の親権制限で足りる事案もあります。

    そこで、平成23年の民法改正の際に、2年以内の期間を限って親権を制限する「親権停止」の制度を創設させています。

    あまり知られていない制度と思いますので、ご報告させて頂きます。

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    飼い犬の鳴き声の裁判

    飼犬の鳴き声が近隣の騒音問題として裁判となることもあります。

    近時の裁判例(大阪地裁平成27年12月11日判決)では、環境基本法の騒音に係る環境基準に照らして、犬の鳴き声が受忍限度を超えて違法であるとして裁判になった事例があります。

    この訴訟の原告は、PCMレコーダーで犬の鳴き声を録音し、分析ソフト(sound forge audio studio)で分析を行って訴訟提起をしています。

    裁判所は、「住宅地において犬を飼育する飼主は、犬の管理者として、犬の鳴き声が近隣住民に迷惑を及ぼさないよう、日常生活において、犬をしつけ、場合によっては専門家に依頼するなどして犬を調教するなどの飼育上の注意義務がある」と指摘し、治療費、録音機器等購入費、慰謝料、弁護士費用等の損害賠償として37万9310円の支払いを命じています。

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    国民年金の保険料を滞納すると

    国民年金の保険料については、「将来、年金が貰えるか分からない」と言って、意図的に滞納する人がいます。
    しかし、国民年金保険料については、被保険者本人だけでなく被保険者の配偶者及びその世帯主にも連帯して納付義務が課せられています(国民年金法第88条)。
    そのため、夫若しくは妻、同居の父親(世帯主)に督促状が送付されることもあります。最近では、このような督促状も相談も何度かあります。
    もし、督促状を無視すると、預金等の財産について差押えされることがあります。更に、滞納についても年14.6%の割合による高額な延滞金が課されることもあります。
    国民年金保険料の滞納には注意して下さい。

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    ニトリの椅子で賠償命令

    ニトリの椅子の破損によって落下して、怪我をし、ひざに後遺障害を含め約2170万円の損害賠償を求めた裁判があります。

    事案は、右側のひじ掛けが破損したために椅子から転落し、右ひざ半月板損傷などの怪我をしたようです。その後も、1年以上の通院やリハビリを強いられたうえ、現在も正座などの際に痛むとの主張です。

     破損した椅子は「ごくまれにひじ掛けが折れる可能性がある」として、2006年に自主回収を始めた椅子でした。

    裁判所は、被害者の主張を認め、「事故により後遺症が残ったと判断できる」とし同社に約580万円の賠償命令を出しました。

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    ネットの検索のデマを消したい

    ネットの検索ではデマも含めて多くのプライバシー情報が残って、削除して欲しいとの要望も少なくありません。

    これを忘れられる権利として主張されはじめています。

    検索サイトのグーグルとヤフーの裁判では判断が分かれています。この裁判の愛媛新聞の報道が興味深いです。以下で紹介します。

    「私たちが、消し去ることのできない記録をもつ『人類最初の世代』になる」(グーグルのシュミット会長)―。そんな覚悟と準備が必要な時代の「新たな人権」が注目を集めている。
     インターネット上に残り続ける個人情報を一定時間経過後に削除するよう求める「忘れられる権利」。ひとたび悪評や個人情報が拡散すれば回復、消去が極めて困難な現状において、個人のプライバシー権や名誉をどこまで守り、知る権利や表現の自由とどうバランスを取っていくのか。日本としても早く基本原則を確立し、法整備を含めた対策を検討すべきだろう。
     削除を巡っては近年、各地で裁判が起こされている。
     7月には、ネット検索サイト「グーグル」の検索結果から逮捕歴に関する記事削除を男性が求めた仮処分の保全抗告審で、昨年末のさいたま地裁決定を東京高裁が取り消した。地裁決定は「忘れられる権利」を言葉として明示し、削除を認めた国内初の司法判断だったが、高裁は「法律で定められた権利ではなく要件や効果も明確ではない」などとして覆した。
     先週は「ヤフー」に検索結果の削除を命じた東京地裁の仮処分決定を巡り、同社の「問題となる語句だけが削除対象」との異議を退け、別の裁判官がサイトアドレスなど「全内容削除」を命じた。当然ながら権利の定義や削除の内容などで判断は割れ、見解は定まってはいない。
     検索システムは有用性、公共性が高い。政治家の不祥事や歴史の記録、性犯罪の前歴など、公益に関わる情報の安易な削除を認めることには努めて慎重かつ抑制的でなければならない。
     その上で原則やルールの明確化を図り、リベンジポルノや流出・漏えい情報、デマなど保護の必要性が大きい場合は、裁判を起こさずとも迅速に救済判断を仰げる体制構築を急ぎたい。削除するだけでなく、元の記事に「無実と判明」「事件は不起訴」などと付け加える形の「救済」も、検討に値しよう。
     「忘れられる権利」を初めて認めたのは、2014年の欧州連合(EU)司法裁判所。判決後、統一ルールの策定が進み、グーグルは欧州限定で削除申請を受け付け、45万件の検索結果を消した。他方、英BBC放送は「何が消されたか分からなければ議論できない」として非表示となった記事を再公開するなど、試行錯誤を重ねている。日本でも、議論を深め丁寧な社会的合意の形成に努めたい。
     来春にも施行される改正個人情報保護法は、保護よりも「利活用」に傾く。携帯位置情報や購買履歴などの「個人関連データ」を加工すれば、本人同意なしに第三者に提供することを認めた。だが複数の情報を照合すれば特定は簡単で、実効性は不明。個人情報の際限なき利用拡大に危惧を覚える。「事後」では取り返しのつかない情報の守り方を、個人と企業、国がそれぞれに改めて考え直したい。

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    海水浴での水難事故

    中学生の野球チームのレクレーションで海水浴にいった事例で水難事故の責任が問題となった裁判があります。

    責任追及された対象は、①引率をしたチームの代表者、副代表者、保護者会会長、②海水浴場を監視する業務を委託された者③海水浴場を管理する設置管理者(地方公共団体)でした。

    大阪高裁の判断は(H27.9.3判決)、いずれも責任なしとの判断を下しています。

    引率者については、正規の海水浴場で監視体制を備えていたこと、事故当時は海は穏やかで危険性が特に高まっていなかったこと、海水浴が任意団体の任意参加の行事であること等が責任否定の根拠になっています。

    監視業務の委託者については、格別に危険な海ではないこと、溺れる前から救助活動を開始する義務がないこと、ライフセーバーらの救助する過程で不手際がなかったこと等が責任否定の根拠になっています。

    最後に、施設管理者についても、安全確保の措置、監視及び救助体制にも不備がなく、ライフセーバーにも落ち度がないこと等が責任否定の根拠になっています。

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    味噌汁のフタの開け方の裁判

    みそ汁の鍋のフタの開け方に関する指導の裁判例があります。

    従業員の安全教育として注目される裁判例です。

    これは、弁当販売店のアルバイト従業員が、配達中に「みそ汁の鍋のフタ」を誤って開けてやけどを負った事案です。

    アルバイト従業員は、弁当販売店の経営会社に対し、従業員の安全教育を怠ったことが原因として、約310万円の損害賠償の請求をしました。

    事案の詳細は、アルバイト従業員が、「みそ汁の鍋」をバイクの荷台に積もうとしたところ、金属製の取っ手部分が熱かったために運べなかったようです。その後、副店長の指示に従ってフタを開けたところ、沸騰したみそ汁が噴き出し、胸や腹、腕などにやけどを負って受傷したものです。

    裁判所は、「鍋のフタを開けると沸騰したみそ汁が噴き出す危険があったのに、副店長が『フタを開けたら早く冷める』と誤った指示を出した」と判断して、経営会社の責任を認め、約256万円の支払いを命じる判決を下したとのことです。

    鍋のフタの開け方も指導の対象になりそうです。

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    生前贈与がブームです

    相続税増税と生前贈与に対する贈与税特例の影響で生前贈与がブームになっているようです。

    納税通信(第3430号)によれば、5年で4割も生前贈与が増えているとのことです。

    生前贈与の方法として、住宅取得等資金贈与の非課税特例を利用する方法があります。

    これは、住宅の新築や増改築の資金を子や孫に一括贈与したときに一定額が非課税になる制度です。

    もともとは最大1000万円の非課税額でしたが、省エネ住宅を新築した場合の非課税額が拡大されています。

    個々の非課税額は案件毎に違うので注意が必要になります。

    また、信託銀行がアピールしていますが、教育資金の贈与信託、結婚育児資金の贈与信託も増えています。

    教育資金の贈与信託は30歳未満の孫等に教育資金を贈与するときに1人当たり1500万円まで非課税になるものです。

    既に1兆円も利用されているらしいです。

    結婚育児資金の贈与信託は20歳以上50歳未満の子や孫等の贈与で一人当たり1000万円が上限(結婚資金は300万円)に非課税になります。

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    交通事故の賠償金を雇用主に請求できるのか

    勤務中に物損の交通事故を起こし、被害者に自腹で修理費用を弁償した場合に、雇用主に弁償代金を請求できるでしょうか?
    一般論としては、少なくとも一部は請求できます。近時の裁判例では、雇用主は使用者責任(民法715条)として責任を負い、従業員とは不真正連帯責任の関係あるとし、雇用主は、従業員の活動によって活動領域を拡張しているので(報償責任といいます)、責任負担の割合があるとしています。その割合は、ケースバイケースですが、近時の佐賀地裁平成27年9月11日判決では、従業員が事業拡大を担う立場にあること、長距離運転を予定する仕事であること、業務量も少なくないこと等を理由として、「7割」を雇用主が負担することを判断しています。
    雇用主の責任はこのような場面でも発生することを理解して頂ければと思います。

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    家賃の保証会社の違法な追い出し

    家賃保証会社の追い出しについては社会的に問題が多いと指摘されています。

    近時、家賃滞納を理由に、玄関ドアに錠を取り付けて入れなくするなどしたのは不当な「追い出し行為」だとして、山口県岩国市の家賃保証会社に330万円の損害賠償を求めた裁判があります。

    借主は、保証会社を連帯保証人としてアパートに入居しましたが、その後家賃計8万円を滞納しました。家賃保証会社は、玄関ドアに錠を取り付けた上、家財を無断で処分し、男性は9日間公園やファストフード店で過ごす結果になりました。

    裁判所は、追い出し行為行為が「窃盗や器物損壊罪にあたる」と指摘し、処分された家財の損害を30万円と算定し、ホームレス状態を強いられた慰謝料20万円など計55万円の賠償を命じる判決を下しました

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    養育費の不払い問題に朗報になるかも

    新聞報道によれば、裁判などで確定した養育費や賠償金の不払いが横行していることから、法務省は、預貯金口座を裁判所を通じて特定できる新制度を導入する方針を固めたとのことです。

    現在では、預金口座を差し押さえる場合には、相手方の金融機関のみならず「支店名」まで特定しないと原則的に差押えができません。ハードルが高いため、強制執行を断念することも少なくありません。

    養育費の支払いが全体の2割程度との調査結果もあるようですが、このような強制執行の困難さも背景にありそうです。

    新制度が養育費不払いの問題の解決の一助となることを期待したいです

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    子の面会交流の難しい問題

    子の面会交流の事件が増えています。現在の裁判所は子の面会交流を積極的に実現する傾向があり、相手方の監護者が子の面会交流を拒否する場合には、審判にて面会交流を命じることもあります。

    ただ、裁判所の審判が下されても、「子どもが面会を強く拒否している」との理由で面会交流が実施できない場合もあります。

    この場合に、間接強制という手段が登場します。これは、監護者が裁判所の審判を不履行する度に金銭負担(例えば1回当たり2万円など)が命じることです。

    最高裁の裁判例では、「子どもが面会を拒否している」との理由でも、面会交流審判は子の心情を踏まえて判断されているので、間接強制を妨げないとする判断もあります(最高裁平成25年3月28日)。

    一方、高裁判決には、子どもの面会拒否を原因として間接強制を却下した事例もあります(大阪高裁平成24年3月29日)。

    最高裁は子の年齢が7歳で高裁は10歳であったことが背景にあるのかもしれません。

    最高裁の判断でも、子どもの心情の再調査によってもともとの審判が変更される可能性があることは否定していないようです。

    子の面会交流の難しい問題が色々あります。

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    遺言の破棄になるか

    遺言書は大事ですね。最近の裁判例で、遺言について珍しい事件の判断があります。

    遺言者が自筆遺言の文面全体に斜線を引いた場合、遺言を「破棄」したことになるかどうかです。

    民法では、遺言を破棄すれば遺言を撤回したことになりますが(1024条)、これを変更と考えると、変更した旨を付記して署名し、変更場所に押印する必要があります(968条2項)。

    広島地裁では、「破棄」と解釈しましたが、広島高裁では「変更」と解釈しました。では最高裁は?

    最高裁は、文面全体に斜線を引く行為は、全体を不要のものとし、遺言の全てを失わせる意思の表れと判断し、「破棄」と解釈しました(最高裁平成27年11月20日判決)。

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    飲食店でのぼったくり被害の裁判例

    飲食店の客引き1時間4000円と言われて入店し、シャンパンを1本程度追加注文したところ、代金支払のため、クレジットカードを交付しました。ところが、店から「100万円」を請求されたので、不当請求として支払いを拒否し、売上票に署名することなく、カードを取り戻しました。最終的には5万円を支払いすることで合意し、ATMで5万円の支払いをしまいた。

    ここからが問題です。その後、クレジットカード会社から78万4100円の売上があることの電話連絡があり、顧客は不正利用であることを回答し、警察署にも相談しましたが、遺失届や盗難届は提出していませんでした。

    裁判では、カード規約の免責規約が争点となりました。免責規約には、盗難、詐取、横領、紛失が対象とされていますが、今回はいずれにも該当しません。裁判所は、規約は例示的なもので限定はしないと判断し、本人は署名していないこと等から重大な過失もないとして、本人を免責する判断をしています(東京地裁平成27年8月10日判決)。

    この裁判は種々の争点がありますが、結論的には良い判断がされたものと思います。ボッタクリ被害の取り締まりを強化してもらいたいものです。

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    会社経営者が検討すべき保険

    会社経営者の検討すべき保険

    知人の保険会社の外交員から会社経営者を対象とした損害保険の話を聞きました。

    最近では、就業規則に基づく解雇であっても不当解雇であるとして会社及び社長個人を提訴する事例、セクハラ放置は会社の整備義務違反であるとして提訴する事例、営業担当者が取引先に詐欺行為を働き使用者責任として取引先が提訴する事例が増加しているとのことです。

    これらの損害賠償を保障し、かつ、弁護士費用も保障対象とする保険の保険契約が増加しているようです。

    今後、社会情勢を考えれば検討すべき保険であると思います。

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    通信販売の返品権

    通信販売には法律による返品権があります

    消費者が通信販売で商品を購入した場合、どうしても返品したいときはどうなるでしょうか。
    通信販売の購入商品の到着後で「8日以内」であれば、消費者は法的に返品する権利があります。返品の費用は消費者自身が負担することになります。
    通信販売の返品ルールは、クーリングオフとは扱いが異なり、法定返品権と呼んでいます。
    ただし、通信販売の業者が返品の条件を予め明示していた場合は、その条件が優先されることになります。例えば、通信販売のサイトに「商品については、不良品以外は返品ができません」と見易く表示していれば、返品対応を不可と定めることが可能となりえます。
    インターネット通信販売の場合は、広告(ホームページ)への返品条件の明瞭な表示の他にも、最終確認画面にも返品条件の表示が義務があります。
    慎重な購入が大事であることにご注意ください。

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    空き家の有効活用の方法は

    空き家建物の有効活用

    空き家の有効活用として「借主負担DIY型」の賃貸が提唱されています。

    DIYとは、ドゥー・イット・ユアセルフの頭文字の略称です。賃貸の借主が自費で修繕や模様替えをすることを認める形態の賃貸借契約です。

    DIY型は、オーナに修繕義務がないことから近隣の賃料相場よりも低額に設定しやすいこと、借主が自己負担をしてリノベーションやリフォームをするので長期的な賃貸契約が期待できることから、オーナーは安定した賃料収入を期待できそうです。

    幅広い活用方法の検討もこれから大事になります

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    相続での預金払い戻し拒否は不法行為

    預金払戻し拒否が不法行為になる?

    例えば、父親が死亡した場合、遺産争いがあるときには、相続人が自分の法定相続分の限度で銀行に預金の払戻しを求めることがあります。

    具体的には、亡父に3000万円の預金があって、相続人が子が3人のみの場合には、子に各1000万円の預金払戻しを求める権利があります。

    しかし、一部の金融機関としては、後日の紛争を回避したいとの自己都合から、他の相続人の同意ないし意思確認ができないと払戻しに応じないとの態度に出ることがあります。

    最近の裁判例では、このような金融機関の態度が問題であるとして、預金分割払戻し請求があった後、期間2カ月程度を経過をすれば、単なる債務不履行ではなく、不法行為が成立するとして、預金残高の法定相続分、遅延損害金、訴訟追行のための弁護士費用の支払いを命じた例があります(大阪高裁平成26年3月20日判決)。

    このような実例は少なくないと思いますので、知っておいて頂きたいですね。

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    DV事件の保護命令

    DV事件の保護命令申立

    本日、DV事件の保護命令申立をしました。
    保護命令の内容は、現在では、被害者への接近禁止命令、未成年の子への接近禁止命令、被害者の親族等の接近禁止命令、居宅の退去命令、電話等の禁止命令と範囲が拡大しております。

    裁判所も審理の迅速に協力してくれます。警察に被害相談等をしている場合には、裁判所は警察とも連絡して対応して頂けます。

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    自殺でも生命保険が給付される場合

    生命保険契約の自殺免責

    生命保険では被保険者が自殺した場合には保険金を支払わないとする免責条項が存在するのが通例です。その免責期間は保険によって相違がありますが、通常は1から3年間が多いです。

    ただ、過去の裁判例では、「自殺」とは「自由な意思決定に基づくこと」が基準とされて、精神障害中の自殺については、免責条項の「自殺」には該当しないと判断されています。

    生命保険会社が自殺を理由に支払い拒否をしても、生命保険の請求が認められる実例があることを知って下さい。

    最近では、「うつ病」に罹患した被保険者の自殺が精神障害中の自殺に当たるのかが争点となる事例が増加しています。

    これは肯定例と否定例の両方があります。最近では、重度ストレス反応及び適応障害に罹患した患者の自殺は、免責条項の「自殺」ではないとした事例があります(甲府地裁平成27年7月14日判決)。

    今後も裁判例が続くことが予想されます。

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    税理士が節税方法の説明を間違えると

    医療法人の設立について税理士の説明責任が問題となった裁判があります。

    事例は、個人医院を経営する医師が節税目的で医療法人を設立しました。医療法人の設立時に資本額を法人設立後2期分の消費税の免除を受ける等の税務上有利とするため、1000万円未満とするよう税理士として説明・指導すべき義務を怠ったことを理由に医療法人が税理士を提起しました。

    裁判所は、法人設立時の税務相談に関し、税理士が誤った説明をしたことを認定し、税理士に対する損害賠償を認めました(東京地裁平成27年5月28日判決)。

    税理士の説明義務違反等の職務上の事務処理の過誤に関する裁判例は近時多くなっています。

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    離婚後15年も使った氏を旧姓に戻せるか

    離婚後15年以上も婚姻時の氏をした場合に婚姻前の氏(旧姓)に戻れるでしょうか?

    戸籍法107条1項は「やむを得ない事由」があれば家庭裁判所の許可で氏の変更ができると規定します。個人の識別手段である氏が簡単に変更されると社会が混乱するので変更の要件は厳格に解釈されています。

    最近の裁判所の傾向としては、婚姻前の氏(旧姓)の変更については通常の氏の変更よりも「緩やか」に解釈する裁判例が増えています。

    例えば、学齢期の子供に婚氏の続称を必要とした事情が子供の成人等によって必要性が消滅した場合とか、親の高齢化によって親と同居して家業のため旧姓に戻る必要性が生じた場合等には、氏の変更を認める傾向にあるようです。最近の裁判例としては、東京高裁平成26年10月2日決定があります。
    今後もこの流れは続きそうです。

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    東海テレビでコメント放映されました

    東海テレビ

    離婚した元夫が子供を連れ去った事件について、人身保護法違反を理由に元夫が逮捕されたニュースが報道されました。

    私のコメントが東海テレビの夕方のニュースにて放映されました。

    過去には、ロト詐欺事件にて、CBCのニュースでコメント放映されたこともあります。

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    東日本大震災の液状化裁判の行方は

    東日本大震災で千葉県の浦安地域が液状化していたことはご記憶にありますでしょうか。

    この液状化で被害を受けた千葉県浦安市の分譲住宅地「パークシティ・タウンハウスIII」の住民が三井不動産などに総額約7億円の損害賠償訴訟を提起しています。

    事案概要としては、三井不動産は、埋め立て地を造成して、分譲住宅を売り出ししています。東日本大震災による液状化で分譲建物が傾いたほか、共用部分の庭や駐車場が陥没したり、給水管が破損したりするなどの被害が出たのです。

    裁判での争点は、三井不動産側が東日本大震災の液状化被害を予測し、地盤改良工事をする義務があるか否かになりました。

    東京高裁では、「分譲当時、激しい液状化被害の発生は予見できなかった」と判断し、三井不動産側の責任を否定しました。

    浦安市の液状化をめぐる訴訟では、住民側敗訴が続いていると報道されています。

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    ビニールプールでの溺死(3歳)で保育所に賠償責任

    ビニールプールでの溺死(3歳)で保育所に賠償責任

    認可外保育所のベランダに設置されたビニールプールで水遊びをしていた女児(3歳)が水遊び中に溺死した事件で、保育士の監視義務違反を理由に遺族が保育所に約6700万円の損害賠償を求めた裁判があります。

    裁判所は、一般的な幼児の水の事故に関し「水深が数センチ程度であっても発生することが珍しくない」と指摘しました。

    そして、担当の保育士が他の子の保護者に対応するため女児から目を離したことを「他の保育士に女児の動静を確認するよう依頼した上で、その場を離れる義務があったのに怠った」として、賠償責任を認めて、約3400万円を支払うよう保育所に命じる判決を下しています。

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    DV夫からの子の面会交流の申立

    DV夫と離婚し、離婚後にDV夫から子の面会交流の申立がされたらどうなりでしょうか?

    まず、一般論として、最近の家庭裁判所の傾向としては、面会交流は原則的に実施する方向での考え方が主流です。

    しかし、子の面会交流の原則的実施論については、最近反対意見が少なくありません。面会交流を実施することで子の虐待が明らかになったり、精神医学者が深刻な悪影響がある等の意見を述べたりしています。新聞社の最近の調査では、面会交流の調停が成立しても44パーセントが実施に移されていないとの調査もあります。

    法律専門誌でも原則的な実施に対する危険性や問題点を指摘する論文が増えています。

    DV夫からの子の面会交流の申立についても裁判所が個別事情を考慮して却下する事例もあります(最近では仙台家裁平成27年8月7日審判)。

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    内縁の夫が交通事故で死亡した場合の損害

    内縁の夫が交通事故で死亡した場合に、内縁の妻が将来の扶養利益の喪失を損害として請求できるでしょうか。

    最高裁はこれを認めています(最三判平成5年4月6日判決)。

    では扶養利益の計算はどうやるのでしょうか。被害者の収入や生活状況で算定するといわれています。

    具体的な裁判例では、内縁の夫の月収が18万円程度、家賃7万5000円、光熱費約1万5000円の事例で、内縁の妻の扶養利益を月額6万円とし、10年間(ライプニッツ係数7・721)の逸失利益を認め、合計555万9624円の損害を認めています。この裁判では、別に固有の慰謝料として500万円も認めています(東京地裁平成27年5月19日判決)。

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    遺言の受遺者が死亡すると?

    遺言者の死亡により相続が開始しても、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、遺贈は効力はありません。これは民法の条文があります(民法第994条1項)。その結果、遺言は初めから存在しなかったことになり、法定相続が開始します。

    遺贈については民法の条文があります。ところで、遺言の文言に「相続させる」という遺言が存在する場合はどうでしょうか。

    かつては、民法994条1項を類推適用して遺言を無効とする高裁判決と、代襲相続の規定が適用ないし準用されるとして遺言の効力を認め、遺言の相手方とされた者の子が指定された相続分を承継するという高裁判決がありましたが、その後、最高裁判決があり、特段の事情がない限り、遺言が無効になることで決着がつきました。

    ところで、死因贈与契約の場合に贈与者より先に受遺者が死亡した場合には、死因贈与契約は無効になるのでしょうか。

    これはまだ最高裁判決はありません。民法994条1項の準用を否定して、死因贈与を有効とする裁判例(京都地裁平成20年2月7日判決、水戸地裁平成27年2月17日判決)がある一方、死因贈与を無効とする裁判例もあります(東京高裁平成15年5月28日判決)。

    なかなか難しい問題ですね。

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    みらい経営塾での講演

    少し前になりますが、メットライフ生命の後藤さんが主宰される第9回「みらい経営塾」にて講演をさせて頂きました

    第9回「みらい経営塾」では,後藤さんから「PLの未来会計ストラック図表」の説明がありました。

    みらい経営塾の目的は、本質的成功の実現であり、趣旨は継続貢献にあるとお話でした。弁護士事務所においても、大事な視点であると思います。企業経営においては、「売上」ではなく、「利益」から逆算する視点が重要であると理解できました。

    私からは、「遺留分減殺請求と生命保険の活用」、「企業の防衛対策」をテーマに講演させて頂きました。生命保険は、葬儀費用、納税資金、遺留分対策等の幅広い活用法があることを経営者の皆様にも知って頂きたいですね。

    参加者の皆様は大変熱心で様々な意見交換もできました。

    後藤さんありがとうございます。

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    面会交流の限定

    離婚事件において、暴言と対物暴力の多い紛争が激しい事件での子の面会交流を限定した裁判例があります。

    妻は、結婚生活中のDVを原因とする心因反応を発症し、通院治療が継続しています。子らも精神的安定が欠け、外来通院が必要と診断されています。

    裁判所は、無理な面会交流は避けるべきとし、子らの写真送付という間接的な面会交流に限定しています(東京高裁平成27年6月12日決定)。

    面会交流の事件は最近大変多く担当しています。

    参考になる裁判例です。

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    従業員の競業行為に関する裁判例

    マンションの管理会社の従業員による競業行為による裁判例を紹介します。
    これは、民事再生手続きによる経営再建中の会社の従業員が会社と競業する新会社を設立して退職後に他の従業員を協力を得て会社の取引先を奪う行為をした案件です。

    裁判所は、現職の従業員には競業避止義務を認めています。元従業員については、競業避止義務は認めませんでしたが、正当な自由競争の範囲を逸脱するとして、不法行為を認めました(東京地裁平成27年2月12日判決)

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    ニチアスのアスベスト裁判で初判断

    ニチアスのアスベスト裁判にて初判断

    大手建材メーカー、ニチアスの羽島工場(岐阜県羽島市)に勤務した元作業員2人が、アスベストによる安全配慮義務を怠ったためだとして、計約5940万円の損害賠償を求めた訴訟の岐阜地裁の判決がありました。

    原告2名は、工場で石綿と他の原料を混ぜる作業に従事した作業員で労災認定を先に受けています。

    原告側は同社が防じんマスクを配るなどの安全配慮義務を怠ったために石綿肺になったなどと主張しています。被告側は排気装置を設置し、マスクも配布していたと主張しています。

    岐阜地裁は、「遅くとも1958年5月26日時点で、石綿の粉じんによる健康被害についての医学的見地が確立しており、同社には安全配慮義務があった」と判断したうえで、「(アスベスト製品の断熱材を製造していた同工場で)安全教育やマスク着用が徹底されなかったことが発症につながった」とし、同社の安全配慮義務違反を認め、4180万円の賠償を命じています。

    ニチアスを訴えた石綿訴訟で、元従業員の請求を認めた判決は初めてです。

    ニチアスの裁判は、元従業員や遺族らが岐阜、札幌、奈良の各地裁に損害賠償を求めて一斉提訴しましたが、札幌訴訟は12年、同社が遺族に4200万円を支払うことで和解しています。奈良訴訟は2014年10月に原告が敗訴、控訴も棄却され最高裁に上告中のようです。

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    部活の練習中に高次脳機能障害に

    柔道部の練習中に頭を打ち、高次脳機能障害などの重い後遺障害を負った事件があります。

    この事件は、当時高校1年生の男性と両親が同校を運営する学園に計約1億4400万円の損害賠償を求めた裁判になります。

    男性は柔道部に入部し、練習中、乱取りをしていて、頭を畳に強打しました。急性硬膜下血腫などで、記憶障害や言語障害などの高次脳機能障害や視野狭窄きょうさくが残ったとの事件。

    裁判所は「事故を防ぐための適切な措置を講じる義務に違反した」として、同学園に計約8150万円の支払いを命じています。

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    詐欺の医療行為と判断された判決

    性感染症にかかったとうその診断をして必要のない薬を処方し続けたとして、男性が病院の院長に約250万円の損害賠償を求めた訴訟の判決がありました。

     院長は、男性に対し尿検査に加えて本来必要のない血液検査を実施しました。
     血液検査の判定基準を独自に変更した報告書を作って「血液検査は陽性でクラミジア感染症だ」と診断し、抗菌薬を処方したとのことです。
     再検査で数値が変わらなかったため、男性が別の医療機関を受診したところ、感染症は「尿検査で診断すべきで検査結果も陰性」と診断されたということです。院長は「診断に誤りはない」と主張していた。

    裁判所は、「医学的知見に照らして不合理だ」としたうえで、「医師が尽くすべき最善の注意義務に著しく違反した」と批判し、「一連の医療行為は故意による詐欺行為と評価できる」と述べ、約49万円の支払いを命じる判決を下しました。

    院長を相手取った訴訟はほかにも複数あるほか、被害者の一部は詐欺罪などで警視庁に告訴しているようです。院長は法廷で数千人に同様の診断をしたと述べており、被害者は多数に及んでいる可能性がありそうです

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    意識を失った運転手に無罪判決

    タクシーを運転中に持病の薬の副作用で意識を失って、歩道の男性をはねて重傷を負わせた事件です。被告は71歳のタクシー運転手で、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の刑事裁判です。

    被告は、福岡市をタクシーで時速約30キロで走行中に意識を喪失し、男性をはね骨盤骨折などの重傷を負わせたました。

    裁判では、被告がめまいを覚えてから意識喪失までに運転を中止できたかどうかが問題となりました。

    検察側は「意識を失うまでに数秒あり、十分な時間があった」と主張していた。

    裁判所は、ドライブレコーダーの記録などから「頭が熱くなり、そのまま気を失った」という被告の供述の信用性を認めたうえで、「体調の異変から気を失うまでの間は一瞬」として、あわせて、これまでに薬による意識障害もなく、予見可能性も認めなかったことから、運転中止は困難だったと判断し無罪判決を言い渡しました。

    過去の病状認識が問題になりますね。

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    携帯電話の2年縛りと詐欺の問題

    携帯電話の2年縛りは解約時期を制限する規定なのか。

    この問題に関する興味深い刑事事件の裁判例があります。

     その事件は、携帯電話を利用する意思がないのに販売店に契約を申し込んで携帯電話をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた20歳代女性の刑事事件裁判です。

     起訴状によると、女性は、家電量販店で、自身が携帯電話を使う意思がなく直ちに解約するのに契約を申し込み、携帯電話計4台をだまし取ったとされて起訴されました。警察が任意で捜査し、詐欺容疑で金沢地検に書類送検、同地検が2月に在宅起訴したものです。

     公判で検察側は、「契約は利用者が2年間携帯電話を利用することを前提にしていた」と主張しました。

     金沢地裁は、契約の約款には解約時期を制限する規定などは見当たらないと指摘し、「犯罪の証明がない」と結論づけ、無罪の判決を下しました。

     2年縛りのみを根拠に詐欺事件にするのは如何なものかと思います。携帯電話の違約金も含めて多くの問題がありますね。

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    セクハラ医師に高額賠償(約1126万円)の判決

    東京大大学院の医学系研究科講師の医師からセクハラ・パワハラを受けたとして、女性研究者が医師に損害賠償を求めた裁判がありました。

    医師は医学教育の分野で多数の書籍を手がけ、複数の学会理事も務めているとのことであり、女性研究者とは学会を通じて知り合い、共同研究していたとのことです。

    女性は「医師は医学教育の分野での圧倒的な社会的地位や権力などを利用し、セクハラを継続した。パワハラもあり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になった」と主張していました。

    男性医師は「指導の立場にない。好意があって性的関係を持った」と反論していました。

    裁判所は、男性医師が2年間、「研究打ち合わせ」名目で宿泊先ホテルの部屋に押しかけ、繰り返し性的行為を強要したり暴言を浴びせたりしたと認定しました。女性のPTSDとの因果関係も認め、「論文のため、逆らいにくい関係であることは明らか」と指摘し、男性医師に慰謝料など約1126万円の支払いを命じています。

    セクハラについては厳しい判決の傾向がありますね

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    交通事故専門士の試験

    8月30日に名古屋で交通事故専門士の試験があります。

    時間がありませんが、ご興味ある方はお問い合わせください。

    チラシ0922-4交通事故専門士

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    事故サポのコンサルテーションで講演します

    事故サポのコンサルテーションで講演します。

    詳細のチラシを添付しましたのでクリックしてください。
    表紙裏

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    別件逮捕について県に賠償命令

    男性がカッターナイフの所持容疑で現行犯逮捕されました。逮捕された男性の尿検査の結果、覚せい剤取締法違反容疑で再逮捕されました。

    男性は、カッター所持容疑の現行犯逮捕は違法な別件逮捕であると主張し、国と福岡県に慰謝料800万円を求めた裁判を提起しました。

    福岡地裁小倉支部は、「福岡県警による違法な逮捕で身柄を拘束され、精神的苦痛を受けた」と判断し、「別件逮捕は違法」と認定して、福岡県に30万円の支払いを命じました。

    なお、国については、「尿から覚せい剤の成分が出ており、検察官による勾留請求に不合理はない」として、国への請求は認めていません

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    脳脊髄液減少症に厳しい判決

    和歌山放送ニュースに脳脊髄液減少症の裁判報道がありました。以下がニュース内容です。

    工事現場での事故で手足がまひしたとして、和歌山市の44歳の男性が国に対し、障害補償年金の支給を求めた裁判の控訴審で、大阪高等裁判所はきょう(7/24)、男性の勝訴だった一審判決を取り消し、請求を退ける逆転敗訴の判決を言い渡しました。

    配管工だった男性は、2002年、和歌山市内の建設工事現場で、重さおよそ11キロの電線が頭に落ち、手足を自力で動かせなくなりました。

    和歌山労働基準監督署は、首から頭の痛みに限って労災と判断し、障害補償年金ではなく、障害補償一時金だけの支給としていました。

    男性が裁判を起こした一審の和歌山地方裁判所は、男性が事故により脳や脊髄(せきずい)を覆う硬膜(こうまく)に穴が開いて、中の髄液が漏れる「脳脊髄液減少症」という症状を起こしたと認め、障害補償年金の支給を命じました。

    しかし、大阪高等裁判所は、きょうの判決で、この症状である疑いが強いとしながらも、「確信を持つほど照明されてはいない」と述べ、男性の請求を退けました。

    男性の代理人弁護士は、「非常に残念な判決だ。脳脊髄液減少症に苦しむ人は多く、男性の病気の状態を見て救済するべきだ」と話しています。

    脳脊髄液減少症については医学的にも論争が多く、裁判所でも議論が多い争点です。大阪高裁は、脳脊髄液減少症自体を否定したわけではないので、少しは前進したとみることも可能かもしれませんが。

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    ホストは労働者とした判決

    ホストクラブのホストは、個人事業主なのか、労働者なのかがが問題となった裁判があります。

    当事者は、歌舞伎町のホストクラブで働いていた男性で未払い賃金の支払いなどを店に求めた裁判です。

    男性はホストクラブに勤務していましたが、客への掛け売りを回収できないため給与が支払われなくなり、その後、勤務態度を理由に一方的に解雇されたと主張していました。。

    裁判所は、「ホストは完全歩合制の個人事業主なので、労働契約はない」との被告側の主張について、「仕事の全般にわたり、店から指揮監督を受けていた」として判断し、店と男性に労働契約があったと認めて約176万円の支払いを命じています。

    最近は労働者性を認める判例が多くなっていると思われます。

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    非弁護士との顧問契約は無効とした判決

    弁護士法72条は報酬を得る目的で弁護士でない者が法律事務を取り扱うことを禁止しています。

    最近の事例では、弁護士ではない会社が顧問契約を締結して、顧問料・相談料名目で弁護士報酬に匹敵する高額な金員を支払わせていた事例の裁判があります。

    東京地裁は、この顧問契約は「弁護士法72条本文に違反する事項を目的とする契約として民法90条により無効であり、顧問契約に基づいて受領した金員は全て不当利得になる」と判断し、金員の返還を命じています(東京地裁平成27年1月19日判決)。

    このような顧問契約には注意が必要です。

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    大阪市の配置転換が違法とされた判決

    大阪市の職員に対する入れ墨調査が大きく報道されたことがありましたよね。

    大阪市の市交通局の職員が入れ墨調査を拒否したことを原因に懲戒処分を受けた事例があります。その懲戒処分を受けたが、処分の取消請求訴訟を提起したところ、今度は、不当に配置転換されたとして、配置転換の取消を求めた訴訟まであります。

    市バスの運転手だった原告は、上司に入れ墨がないことを確認してもらったうえで、入れ墨調査の回答用紙を提出せず、市交通局長から戒告処分を受けたとのことです。

    その後、原告は、懲戒処分取り消しなどを求めて大阪地裁に提訴した後、局長から取り下げを求められて、これを拒否すると、内勤の運輸課に配転されたとのことです。

    大阪地裁は、原告の主張の通り、配転を違法として取り消し、大阪市に慰謝料など110万円の支払いを命じていたが、大阪市は控訴しました。

    大阪高裁は、「公務を遂行するうえで、配転の必要はなかった」と指摘しました。そして、「裁判を受ける権利を侵害する意図があった」と認めたうえで、「提訴への対抗措置で、市側に裁量権の逸脱、乱用があり、違法」と述べ、配転を違法と認めた1審・大阪地裁判決を支持し、市の控訴を棄却しました。

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    信号機の不備で無罪となった事例

    先日、自動車運転過失傷害罪の刑事裁判において信号機の不備を理由に無罪判決を下した事例があります。

    被告は、南北の道路から東と南東方向にそれぞれ枝分かれする変形交差点で大型トラックを北向きに運転し、南東に右折したようです。被害に遭った男性の軽貨物乗用車は西向きから南に左折し、出合い頭に衝突したという交通事故のようです。

    事故当時、被告側の信号は青、男性側は赤でしたが、左折可能の矢印が表示されていたとのことです。同様の表示が7秒間続く信号周期の信号機とのことです。

    裁判所は、検察側の「右折直前に進行方向を見て安全を確認する義務がある」との主張について、右折する車の運転手は、東から左折する車の対面信号は赤と考え、左折してくるのを想定していないとして「信号周期に対する信頼を超えた自動車運転上の注意義務を課すのは相当でない」と判断しました。

    また、南東の道路の存在が設定の際に見落とされていた可能性にも触れ「双方の走行を同時に可とする交通規制が相当ではないことは明らか」と不備を指摘しています。

    最終的には、「信号機に交通整理の不備があり、事故当事者の刑事責任に転嫁するのは相当でない」と無罪を言い渡し、さらに「本件交差点の信号周期は速やかに改めるべきだ」と関係機関に早期の改善も促す異例の判決となりました。

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    橋本市長に動画削除命令が下る

    大阪都構想の実現を訴えたタウンミーティングにて、橋下徹大阪市長の名誉毀損の発言をめぐって仮処分の問題が起きていました。

    紛争の経緯は、大阪市内で開かれたタウンミーティングでの橋下市長の発言です。発言概要は、平松氏が2011年の市長選の際、町内会に現金100万円を配ったかのように語っていた内容です。

    裁判所は、「集票目的で買収行為を行ったような印象を抱かせる。極めて高い知名度や情報発信力を持つ橋下市長らによる名誉の侵害は重大だ」として、橋下市長と大阪維新の会に対し、動画サイトに投稿した撮影映像を削除するよう命じています。

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