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精神障害者による放火と火災保険

精神障害者による放火と火災保険

精神障害を有している賃借人が、自暴自棄になり自らの賃借アパート(部屋)を放火してしまった、という事案において、その賃借の保証人をしている人から、賃借人が契約している火災保険の保険金が下りるか、という相談がありました。

保険約款には一般的に次のような免責規定が定められています。
「保険契約者、被保険者、これらの代理人や同居の親族が、故意または重大な過失により生じさせた損害については、保険金を支払わない」

裁判所は「保険契約者等が精神障害に罹患しており、自由な意思決定をすることが出来ない状態で保険事故を生じさせた場合は、前記の免責規定は適用されない(保険金が下りる)」としています。
前記免責規定は、不当な保険利用を防止するためにあるが、自由な意思決定ができない場合であれば、不当な保険利用にはならないからです。

しかし、精神障害により自由な意思決定をすることが出来ない状態かどうかの判断はとても難しい。
ただ、放火した者が、医療観察法による入院決定がなされたような場合であれば、免責規定の適用はなく、火災保険が下りる可能性が大きいとは思われます。

@神戸地裁姫路支部平成26年8月20日判決(判時2259号48頁)

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