名古屋・岐阜・岡崎の弁護士が 交通事故について法律相談

交通事故の賠償金を雇用主に請求できるのか

勤務中に物損の交通事故を起こし、被害者に自腹で修理費用を弁償した場合に、雇用主に弁償代金を請求できるでしょうか?
一般論としては、少なくとも一部は請求できます。近時の裁判例では、雇用主は使用者責任(民法715条)として責任を負い、従業員とは不真正連帯責任の関係あるとし、雇用主は、従業員の活動によって活動領域を拡張しているので(報償責任といいます)、責任負担の割合があるとしています。その割合は、ケースバイケースですが、近時の佐賀地裁平成27年9月11日判決では、従業員が事業拡大を担う立場にあること、長距離運転を予定する仕事であること、業務量も少なくないこと等を理由として、「7割」を雇用主が負担することを判断しています。
雇用主の責任はこのような場面でも発生することを理解して頂ければと思います。

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代理処罰でブラジルの裁判所が有罪判決

日本経済新聞の報道によりますと、2005年10月静岡県湖西市で、当時2歳の女児を死亡させる交通事故を起こし、本国へ逃げ帰っていたブラジル人について、日本政府から代理処罰を要請していたラジルで、現地の裁判所は被告人に有罪判決を言い渡しました。

ブラジルは、憲法により自国民を外国へ引き渡すことを禁止しています。そこで、日本政府は「逃げ得」を許さないため、日本の捜査機関が集めた証拠を添えて、ブラジル政府に代理処罰を要請したいました。

この要請を受けて、犯人はブラジルの処罰法に基づいて起訴されていましたが、裁判所は1審に続いて2審も、被告人に懲役2年2月の判決言い渡しました。被告人は、この判決を不服として異議を申し立てているようです。

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整形外科斉藤究医師とむち打ち損傷の勉強会

整形外科医である斉藤究先生と「交通事故被害」の診療に関する勉強会を旭合同法律事務所で行いました。

本当に勉強になりました。
まず、メンタル面の治療への影響が大きいことを教えて頂きました。交通事故において同程度の被害があっても、「加害者」と「被害者」では治療期間に大きな差異が生じることがあるようです。「被害者」の意識が治療を長期化させる傾向が実際に存在するとのことです。

また、交通事故の頸部挫傷(一般には「むち打ち損傷」です)では、神経症状よりも「筋肉」に問題があることが多いとの見解を教えて頂きました。画像所見では分からない痛みの原因は、実際には「筋肉」に対する治療が必要であるとのことです。そこでトリガーポイント注射や理学療法士による筋肉のほぐしが大切であるようです。

専門的には、筋膜性疼痛症候群(MPS)と言われるようです。筋膜性疼痛症候群であるかどうかの診断は、筋膜性疼痛症候群(MPS)の存在自体が日本ではほとんど知られていなく、レントゲン、MRI、血液検査など一般的に行われる検査では目で見える結果として現れないため、一般の医療機関では診断、治療が困難であるとのことです。

斉藤先生は東洋医学の考え方や接骨院との医接連携も重要であるとの意見であり、画像所見のみで痛みの原因を限定的に捉える現在の医療実務への警鐘も伺いました。我々弁護士には「目からうろこ」の状態で新鮮な感動を受けました。

また斉藤先生から色々なご意見を伺っていきたいと思います

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交通事故「割り込み」が原因で運転手に無罪判決

多重衝突事故を起こしたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた元トラック運転手の男性に対する無罪判決がありました。

男性は、国道を大型トラックで走行中、隣の車線から入ってきた中型トラックを避けるため車線変更し、前方の乗用車に追突したとのことです。

 

乗用車は対向車線に飛び出し、別の車に衝突するなど計6台が絡む事故で1人を死なせ、3人に重軽傷を負わせたとして正式起訴されました。

裁判所は、「中型トラックの進路変更は道路交通法違反で、一般のドライバーが予期し得ない行為」と指摘し、「男性が驚いて車線を変えたことは、ごく自然な判断」と述べたうえで、「隣車線の車が進路変更の合図なしに前方に進入したのが事故の原因」と判断」「男性に過失はない」として、無罪判決を言い渡しています。

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脱法ハーブによる交通事故が急増

昨24日夕方、東京池袋で歩道を乗用車が暴走し、歩行者を次々は。もうろう状態で、運転する前に脱法ハーブを吸引したと述べているそうです。

脱法ハーブは、大麻の薬理成分のテトラヒドロカンナビノール(THC)の効果を模倣したもので「偽大麻」とも呼ばれ、脱法ドラッグの一種です。

日本では、9種類のTHCが法の規制対象ですが、そのうち大麻に天然に含有されているもの2種は大麻取締法で規制され、化学合成されたカンナノイド7種は麻薬及び向精神薬取締法で規制されています。

カンナノイドの合成が盛んな背景には、新薬の開発があると言われています。法をすり抜けて売られている脱法ドラッグの多くは、正当な製薬開発の過程で生まれたものです。

脱法ハーブの吸引による救急搬送や交通事故は、全国的にも急増しています。池袋で起きた昨日の事故について、警視庁は、薬物の影響で正常な運転が困難な状況で運転した疑いがあるとみて、危険運転致死傷の疑いで捜査する方針のようです。

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交通事故で有給休暇を取得すると

交通事故の被害に遭って、サラリーマンの人がやむなく有給休暇を取得することがありますね。

裁判例には①休業損害として認める例②慰謝料として考慮する例があります。

休業損害とする理由は、有給休暇は労働者の権利で財産的価値があるとしています。算定方法は、「年収」×「休暇日数」÷365日と算定しています。

慰謝料とする理由は、実際の減収がない以上、休業損害ではないとしています。

有給休暇の論点でも裁判例が複数あるので交通事故の論点は奥が深いです。

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RSDと素因減額

RSDと素因減額
RSDは、医学的知見として患者の遺伝的素因が発症条件の一つと言われていることから素因減額が問題となります。素因減額を認めるものと認めないものがありますが、どちらの裁判例も一概に判断しているわけではなく、事故前の本人の健康状態や事故の大きさ、本人の症状や治療経過を検討したうえで素因減額を認めるかどうかを判断しているようです。
戸田裕三

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無職の方の収入認定

無職者(家事従事者、学生、生徒、幼児等を除く)の収入認定方法について

無職者の収入認定が問題になるのは主に後遺症が残った場合の将来の逸失利益の計算の場面です(休業損害は否定される場合が多いと思われます)。
この場合は、被害者の就職の蓋然性、被害者の年齢、失業前の実収入等を考慮して、学歴計全年齢平均賃金、学歴計年齢別平均賃金、学歴別全年齢平均賃金を得られる蓋然性が認められれば、平均賃金を基礎として諸事情を考量して調整します。
戸田裕三

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裁判所の交通事故慰謝料の考え方

慰謝料の考え方
交通事故裁判では慰謝料の金額が問題となりますが、近時の裁判所の考え方は方は概ね以下の通りです。
1、 死亡慰謝料
死亡1人につき総額2000万円~2700万円とする。一家の支柱は総額2700万円とするが、ケースにより総額2900万円までは認められる。
2、 傷害慰謝料
原則入院通院期間を基礎として裁判所作成の表(青本の中間値より概ね少し高い)により決定する(傷害の部位・程度により適宜増減することがある)。特に重症の場合は、表の金額に2割~3割を加算することもある。
3、 後遺症慰謝料
1級2800万円 2級2370万円 3級1990万円 4級1670万円 5級1400万円 6級1180万円 7級1000万円 8級830万円 9級690万円 10級550万円 11級420万円 12級290万円 13級180万円 14級110万円
14級に至らない後遺症も、それに応じた後遺症慰謝料を認めることができる。

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交通事故事件で請求できる治療費の考え方

交通事故の裁判でよく治療費について争われることがありますが、実際の裁判では概ね以下のように考えられています。
1、 症状固定後の治療費
原則としては認められませんが、症状の内容・程度に照らして、必要かつ相当なものは認められます。
2、 温泉治療費
医師が療養上必要と認め、その指導の下に医療機関の付属療養所またはこれに準ずる施設での治療のために必要かつ相当な額は認められます。
3、 あんま・はり・マッサージ
原則として医師の指示があり、治療のために必要かつ相当な額は認められます。
4、 室料差額
治療のために必要かつ相当な額は認められます。
戸田裕三

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ゲリラ豪雨

平成21年7月、有料道路である九州自動車道を自動車で走行していたところ、集中豪雨(ゲリラ豪雨)により道路の隣接地で土砂崩れが発生し、その土砂等が道路に流入したことにより、自動車が土砂等の下敷きとなって、同乗者2名が死亡した。
そこで、遺族が道路の管理会社(西日本高速道路株式会社)に対し、損害賠償を求めたところ、裁判所は、通行止め規制を実施して発生する可能性のある土砂崩れ等に自動車が巻き込まれるのを防止すべきであったのにこれを怠ったとして、総額約2億円の損害賠償を命じました。
なお、この裁判では、管理会社は、賠償責任があることは争わず、もっぱら賠償「額」が争われていたようです。
@福岡地裁小倉支部平成24年6月26日判決(判時2163号75頁)

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