名古屋・岐阜・岡崎の弁護士が 刑事事件について法律相談

東住吉女児焼死事件で刑の執行停止

報道でご存じのように、東住吉女児焼死事件で無期懲役が確定し服役していた母親(51)と内縁の夫(49)について、大阪高裁第4刑事部は、今年10月23日、再審開始と刑の執行停止を決定しました。
 
検察側は執行停止に対する異議を申し立てましたが、大阪高裁第3刑事部がこれを退けたため、10月26日、母親ら両名は刑の執行が停止されて、逮捕以来20年ぶりに釈放されました。

刑事事件の裁判では再審開始決定と、刑の執行停止とは連動している訳ではありません。そのため、再審開始が認められても刑の執行はそのまま継続されます。

今回、大阪高裁は「無罪の可能性が高くなっており、刑の執行を今後も続けるのは正義に反する。」との判断を示し、刑の執行停止を決定しました。

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落し物を拾ったら……

落し物や忘れ物を拾ったとき、どこへ届け出ればいいのでしょうか。 駅とか遊園地などの施設で拾った場合は、その施設に届け出ます。施設以外の道路などで拾った場合は、最寄りの警察署や交番に届け出ます。

届けられた物件は、警察で3か月間保管されます(平成19年の遺失物法改正前は保存期間が6か月でした)。警察は、掲示板に貼り出したりインターネットを利用して物件の情報を公告し、持ち主を探します。

この保存期間内に持ち主が引き取りに来れば返還されます。保存期間が経過した物件は、拾得者の所有物になります。しかし、携帯電話やカード類は、個人情報を保護しなければならないので、拾得者に所有権が移ることはありません。

今年8月20日の豪雨による広島市の土砂災害では、復旧作業が進むにつれて約2万7000点もの家具・衣類・鞄などが拾得物件として警察に届けられました。これまでに8割方が持ち主に返還されましたが、未だに5000点を超える物件が保管されています。
今日11月20日で災害から3か月になります。これから先は、毎日多くの物件が保管期間満了を迎えます。持ち主の手元に無事返還されることを祈ります。

ちなみに、拾った物を届け出ないでネコババすると、遺失物横領の罪で1年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられます。

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少年の蘇生は家族の愛情から

昨日、私が付添人を担当していた少年の審判がありました。

1か月あまり前に面会した頃は、斜めに構えていきがり、親にも反発的なところがありました。

しかし、少年が鑑別所での生活を過ごす間に、毎日面会に来てくれた母親。
付添人と一緒に被害者の所へ謝罪に訪れ、余裕のない中から被害弁償をしてくれた父親。
手紙で兄の帰りを待ちわび、家族団らんの夕食ができる日を楽しみにしている弟。

高校を中退し、家庭にも寄り付こうとしなかった少年の荒んだ心に、家族の愛情は乾燥した大地に注ぐ雨のように吸い込まれ、少年を見事に蘇生させました。

鑑別所に入れられたことを他人のせいにしていた少年ですが、昨日の審判では、裁判官に「鑑別所に入れてもらい、本当の自分を取り戻すことができました。ありがとうございます。」と、感謝の言葉を述べるまでに変化。

審判の結果は保護観察でした。
両親の腕に戻された少年は、「先生、もう俺は大丈夫です。お世話になりました。」と言い残して父親の車に乗り込んでいきました。

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タブレット端末を利用した刑事事件

殺人と死体遺棄の罪で起訴された裁判員裁判による刑事事件でタブレット端末が利用されました。

被告は、耳は聞こえるが言葉が不自由なため、地裁は初公判からタブレット端末を導入していました。被告は罪状認否や被告人質問などで、タッチペンを使って公判にて答えていました。

この刑事事件の裁判員を務めた男性は、判決後の記者会見で「文字だけで感情を理解するのは難しかった」と話す一方、「リアルタイムでモニターに表示され分かりやすかった。各地の裁判所に広がればいい」と評価したとのことです。

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自動車運転死傷行為処罰法5月20日から施行

酒や薬物などの影響で起こした交通事故の罰則を強化した「自動車運転死傷行為処罰法」が5月20日から施行されます。

現行の危険運転致死傷罪(最高刑懲役20年)は立証が困難であることから、自動車運転過失致死傷(最高刑懲役7年)で起訴されるケースがありました。遺族等からは、二つの罪の量刑に差がありすぎるとの批判があり、危険運転致死傷罪に新類型を設けたのが、自動車運転死傷行為処罰法です。

酒や薬物の影響で、「正常な運転に支障が生じる恐れがある状態」も対象となるなど、処罰範囲が拡大しています。

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無罪事件の起訴違法性の判断(木下敏秀)

強制わいせつ致傷罪で起訴された後、無罪が確定した事件で、被告人となった男性が「起訴は違法」として、国に1280万円の賠償を求めた訴訟の最高裁判決が出ました。

 被告人とされた男性は、路上で女性に抱きつきけがをさせたなどとして刑事事件として起訴されました。しかし、大阪地裁は、男性を犯人とする女性の供述の信用性を疑問視し、刑事事件としては無罪を言い渡し、確定もしました。

 男性が提起した民事事件については、1審の大阪地裁は「起訴時点では容疑があった」として請求を棄却しました。

 男性は、控訴し、2審の大阪高裁は、警察が女性に2度、複数枚の人物写真から容疑者を選ばせる際、男性のみ2度入っていた点を重視し、「誘導の作用が生じた可能性がある。女性は当時相当量の飲酒をしており、検察官は供述の信用性を冷静に判断すべきだった」と過失を認め、330万円の支払いを命じる逆転判決が出ました。

 これに対し、国は、上告し、最高裁の結論が注目されました。最高裁は、「女性は複数回、犯人を至近距離で見ており、容貌について早い段階で供述した。供述の信用性を認めた検察官の判断が合理性を欠くとは言えない」と結論づけ、起訴の違法性を否定し、再度の逆転判決になりました。

 大阪高裁が指摘するように「女性が相当量の飲酒をしていた」とすれば、最高裁の判断には疑問はありますね

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