名古屋・岐阜・岡崎の弁護士が 最高裁について法律相談

最高裁で痴漢事件(否認)の勾留取消

最高裁で、電車内で女子中学生の体を触ったとして、迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された男性会社員(容疑を否認)の拘留に関する決定がありました。

最高裁では、勾留の必要性は、証拠隠滅の現実的な可能性で判断すべきと指摘して、「男性が中学生に接触する可能性が高いことを示す具体的な事情はない」と判断し、勾留の取消決定をしました。

 

地裁では、裁判官が勾留請求を却下したため、検察側が準抗告していました。地裁の別の裁判長が「中学生に働き掛けて証拠を隠滅する疑いがある」として勾留を一転して認めたため、男性側が最高裁に特別抗告していたようです。

最高裁の決定を受け、男性を釈放され、その後、不起訴処分となったとのことです。起訴前の勾留について最高裁が判断を示す例は少ないので注目される事例ですね。

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無保険車傷害特約で請求できる部分

無保険車傷害特約で被害者が保険会社に請求できる部分
加害者が任意保険に加入していない場合に、被害者は自分の保険の無保険車傷害特約に基づいて、自分の保険会社に裁判を起こすことがありますが、この場合に、自賠責保険や障害基礎年金の受領分を損害賠償金の元金から控除すべきか遅延損害金にまず充当すべきかが問題になります。
これについて最高裁平成24年4月27日判決は、自賠責保険や障害基礎年金の受領分を元金から控除すべきであるとしました。そして無保険車傷害特約に基づき被害者が請求を起こした場合は、保険会社が保険金の支払いが遅滞に陥った後は、年6分の利息を付して保険金を支払わなければならないと判断しました。
戸田裕三

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社会給付と損害賠償への充当関係

各種社会給付と損害賠償金への充当関係
交通事故の被害にあった場合、被害者は示談までの間に加害者からの一部支払いを受ける一方で、労災保険等の公的給付を受ける場合がありますが、これらの給付を受けた時点で発生している損害賠償金の遅延損害金に充当してよいのかどうかと言う問題があります。最高裁平成16年12月20日判決は自賠責保険から支払われた給付金については遅延損害金への充当を認めましたが、平成22年10月15日最高裁判決は労災保険からの休業給付・障害一時金については、遅延損害金への充当を認めず、事故日に元本に充当したことにするべきであると判断しました。また平成22年9月13日最高裁判決は、障害基礎年金・障害厚生年金については口頭弁論終結時までに支給されまたは支給が確定していた分までは、遅延損害金への充当を認めず、事故日に元本に充当したことにするべきであると判断しました。
戸田裕三

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被害者の体質と治療の長期化

被害者の体質によって治療が長期化した場合の損害賠償請求
交通事故では、予想外に治療が長期化することがあります。その原因は多種多様ですが、ひとつに被害者の体質があります。被害者の体質が理由で治療が長期化した場合に加害者はどこまで責任をもつべきでしょうか。最高裁は、被害者の身体的特徴などは、「疾患」に該当しない限り考慮すべきではないとしているので通常の場合長期化の責任は加害者が持つこととなります。
問題になるのは骨粗鬆症の場合です。高齢化すると多くの方が骨粗鬆症になるので年齢相応の場合は、一般的には問題にされていないようですが、若年者の骨粗鬆症は「疾患」として減額の対象となるようです。裁判例では35歳の被害者が骨密度70歳~75歳に該当する状態で事故に遭遇し怪我を負った場合に、損害賠償請求の20パーセントの減額がなされました。
戸田裕三

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自動車盗難事故における保険金請求(判例)

自動車盗難事故における保険金請求(判例)
車両が盗難された場合に保険金を請求する際に、どこまで証明しないと保険金が出ないかという問題については、最高裁平成19年4月17日判決があります。判決は「被保険者以外の者が被保険者の占有にかかる被保険自動車をその所在場所から持ち去った」という事実を立証すれば足りるとしています。しかし、これを直接立証することはできませんから、実際は①請求者の保険事故発生前後の行動②保険事故の客観的状況③請求者の属性・動機の有無④保険契約締結に関する事情等を総合判断して決めることになります。具体的には、過去に保険金請求をしているか、イモビライザーが搭載されているか、高価な追加装備がされているかなどが考慮されているようです。
戸田裕三

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検事総長が正した判決(木下敏秀)

 群馬県伊勢崎市の少年(当時18)に対して、伊勢崎区検が、少年法で起訴が認められない道路交通法違反(過失の通行禁止)の罪で略式起訴し、伊勢崎簡裁もそのまま略式命令を出していたことで、検事総長が確定判決の誤りを正す「非常上告」の手続きを取っていた事案の最高裁判決がありました。

 少年は①無免許運転②右折禁止の場所での故意の右折した非行で前橋家裁に送致され、その後、検察官送致(逆送)の決定を受けていました。

 伊勢崎区検は②について、故意ではなく「過失」と判断して略式起訴しました。伊勢崎簡裁は、罰金20万7千円の略式命令を出したとのことです。しかし、過失であれば②の最高刑は罰金刑にとどまり、少年法の規定で起訴は認められないはずです。

最高裁は、起訴を取り消し、略式命令を破棄する判決を言い渡しうえで、無免許運転の罪についてのみ新たに罰金20万円を宣告したとのこです。

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血縁がない子の認知をした父親による認知無効の請求 (高橋 寛)

フィリピンの女性と結婚した男性は、結婚したとき女性がフィリピンに残していた娘を認知し、日本に呼び寄せていました。

その後、家庭のトラブルで夫婦関係が破綻したことから夫婦が別居し、男性はその娘と血縁がないとして、認知無効の訴訟を提起していました。

平成26年1月14日、最高裁判所第三小法廷は、「認知した本人であっても父親は利害関係人に当たるので、無効の請求ができる。」との判断を示し、認知された子側の上告を退けました。

民法は「認知をした父又は母親は、その認知を取り消すことができない。」と定めていますが、その一方「子その他の利害関係人は、認知無効の主張ができる。」という規定が民法にあます。認知をした当の本人である父親が、利害関係人に含まれるかどうかについて、最高裁判所の初の判断が示されました。、

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面会交流と間接強制

子供(未成年)のいる夫婦が離婚した場合、養育費の他にも、子供との面会交流についても話し合われることがほとんどです。
たとえば、子供の親権を母親が取得したときは、父親と子供とが定期的に面会できるように話し合われることが多いですよね。

裁判手続(調停や審判)で、面会交流のことが決められることも多いですが、一旦、決められたにもかかわらず、その後、母親が子供と父親との面会交流について拒否することがあるのも現実です。

そうした場合、父親は、なんとか母親に面会交流に協力するように手続きをとるわけですが、その一つに、「間接強制」という方法があります。
間接強制とは、簡単に言うと、母親が面会交流を拒否したら、一定の金銭の支払いを義務づけ、それによって、間接的に面会交流を強制する、というものです。

面会交流については、直接強制(執行官の実力によって、子供の引き渡しをさせる方法)は許されないと考えられていますので、この間接強制ができるかどうかが大事な議論になっています。

最高裁は、間接強制が可能であるためには、面会交流の具体的内容が特定されていることが必要だとして、その上で、間接強制ができる場合とできない場合についての判断を示しました。それぞれを紹介しましょう。

【最高裁が間接強制ができるとしたケース】

  審判の内容が、以下のように、面会交流の日時や頻度、各回の面会交流時間、子供の引渡方法などが具体的に定められているもの。
 ① 面会交流の日程・場所
   月1回、毎月第2土曜日の午前10時から午後4時まで
   自宅以外の非監護者が定めた場所
 ③ 面会交流の方法
   子供の受渡場所は自宅以外の場所とし、当事者間の協議が整わないときは、札幌駅東口の改札口付近とすること
   受渡場所において子供を非監護親に引き渡し、面会交流終了時においても、同場所で引き渡すこと

【最高裁が間接強制ができないとしたケース】

1 子供の引渡方法が具体的に定められていない審判
   審判の内容が次の内容にとどまり、子供の引渡方法が定められていないもの
   1か月に2回、土曜日又は日曜日に面会交流すること、また、1回につき6時間の面会交流をすること

2 面会交流の具体的内容が特定されていないとされた調停成立調書
   但書によって、面会交流の内容が具体的に特定されているとはいえず、面会交流の大枠を定めたものとされたもの。
  ① 2か月に1回程度、原則として第3土曜日の翌日に、半日程度面会交流する
    ただし、最初は1時間程度から始めて、子供の様子を見ながら徐々に時間を増やす
  ② 子供の受渡場所は、某喫茶店の前で引き渡すのを原則とする。
    ただし、面接交渉の具体的な日時、場所、方法等は、子供に配慮して協議して定める。

@最高裁平成25年3月28日決定(判時2191号39頁)

(コメント)
もし、面会交流について相手方の協力が得られない危険性が強く感じられる場合は、最高裁が示すように面会交流の日時・時間・受渡方法などを具体的に決めるようにして、後で間接強制の申立ができるようにしておく必要があります。
なお、子供が父に会いたくないと言っているため面会交流が実現できないようなケースでは、一度決まった面会交流の決定をそのまま放置することなく、面会交流禁止の審判申立などをしておく必要があります。

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最高裁・非嫡出子(婚外子)の相続格差は違憲

嫡出子(結婚している男女間の子供)の相続分と比べて、非嫡出子(婚外子、結婚していない男女間の子供)の相続分は「半分」とする、との民法の規定があります。

平成25年9月4日、最高裁はこの規定を「憲法違反」だと判決しました。近々、国会で法律改正されると思います。
ここでは、憲法違反ということの他に最高裁が述べている大切な2点を触れておきますね。

1 相続格差規定は、遅くとも平成13年7月当時において憲法違反である。
これより以前に相続が発生したものについては基本的には合憲とする、と考えているようです。

2 今回の違憲判決は、すでに確定的となった法律関係には影響を及ぼさない。
すでに裁判所で決着済みのものや、当事者間で遺産分割協議が成立したものは、今回の違憲判決によって覆ることはない、ということです。反対に、まだ、決着していないものについては、今回の違憲判決を前提とした処理がなされることになります。

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