名古屋・岐阜・岡崎の弁護士が 生活保護について法律相談

住宅ローンがある場合の生活保護

厚生労働省の通達では、「ローン完済前の住宅を保有している者を保護した場合、結果として生活に充てるべき保護費からローンの返済を行うことになるので、原則として保護の対象にしない。」とされています。

その一方で、厚労省の生活保護問答集には、「ローンの支払いの繰り延べが行われている場合、又は、ローン返済期間が短期で、かつ、支払額も少額である場合」は、ローン完済前であっても住宅の保有を認めた上で、生活保護を実施してもいいとしています。

残りのローン「返済期間が短期で、残金も少額」とはどのような数字を目安に運用されているのでしょうか。厚労省は目安となる数字を公表していませんから、地域の住宅事情とか世帯の実状などを色々考慮して個々に判断されるようです。おおまかな目安としては、ローンの残り支払い期間は片手の指で数えられる年数以内。毎月のローン支払い額はその世帯の生活扶助基準額の10~15%以下といったところでしょうか。

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要保護世帯向け不動産担保型生活資金について

平成19年4月1日以降、持ち家のある人が生活保護を利用する場合、次の3要件に当てはまるときは、生活保護を受ける前に、この制度による貸し付けを求める扱いがされるようになり、現在もその扱いが継続しています。

この制度の対象になる3要件は、次のとおりです。
1 本人及び配偶者が65歳以上であること。
2 居住用不動産の資産価値が500万円以上であること。
3 居住用不動産に賃借等の利用権や抵当権等の担保権が設定されていないこと。

制度の内容は、次のとおりです。
この制度は、要保護者が所有する不動産に住み続けながら、その不動産を担保に都道府県社会福祉協議会から生活資金の貸し付けを受け、保護者本人が死亡後に、担保となっていた不動産を処分して貸付金の回収をはかるという内容です。貸付限度額まで貸付けを受けても、なお要保護者が生活に困窮している場合は、生活保護に移行します。

この制度は、居住用不動産の活用を徹底させることによって、生活保護費の抑制をはかり、かつ、扶養義務を果たさない者に対する不動産相続を防ぎ、社会的不公正を是正する目的で創設されました。

この制度による都道府県社会福祉協議会からの貸し付け金額と貸付限度額は、次のとおりです。貸付限度額に達した時に貸付けは終了し、その後は生活保護に移行します。限度額に達する途中で本人が死亡した時も貸し付けが終了し、担保不動産は処分されて貸付金の回収がはかられます。
1 月々の貸付金額は、その世帯に対する生活扶助費の1.5倍の金額から世帯の収入充当額を差し引いた額です。
2 貸付限度額は、戸建ての場合は土地建物の評価額の7割。分譲マンションの場合は評価額の5割です。

この制度に対しては、生活保護制度では持ち家の保有が認められているのに、65歳以上の高齢者に限って、不動産を担保に借金を事実上強制する結果になるという批判があります。国は、生活保護利用者の生前に何の援助もしない扶養義務者が保護利用者の不動産を相続するのは、国民の理解を得られないとして、制度を継続させています。

 

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生活保護と生命保険

生活保護を受けると生命保険は解約させられるのでしょうか?

生活保護を申請する時、契約している生命保険があれば、原則として解約し、解約返戻金を生活維持費に支払った後でなければ、生活保護の利用を認めない扱いになっています。

しかし、解約返戻金が少額で、かつ、保険料がその地域の一般世帯との均衡を失わない限り、生命保険を解約しなくても生活保護を利用できるとされていますから、生活保護の利用を簡単に諦める必要はありません。

「解約返戻金が少額」かどうかは、医療扶助を除く最低生活費の概ね3か月分以下が目安にされています。
「保険料がその地域の一般世帯との均衡」に関しては、医療扶助を除く最低生活費の大体1割程度が目安されています。

生活保護利用中でも、生活費をやり繰りして生命保険を契約することはできますが、その場合も、支払う保険料の額が医療扶助を除く最低生活費の1割程度が目安になります。

生活保護利用開始後に解約返戻金とか保険金を受け取った場合、生活保護申請時の解約返戻金に相当する金額を返還する必要があります。その額を超える部分は、原則として収入認定の対象とされ、生活保護費の減額が行われます。

臨時に受け取る保険金のうち、「当該世帯の自立更生のために当てられる額」は、収入認定の対象に含めない取扱いがなされるため、保護費は減額されません。ですから、明確な自立更生計画を立てて福祉事務所と交渉することが大切です。

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自宅の保有と車の保有は扱いが違います(生活保護)

現行の生活保護制度では、原則として、持ち家を処分しなくても生活保護を受けることができます。生活保護は自立を助長することも制度の目的とているからです。
しかし、多額の住宅ローンを抱えている場合は利用できません。生活保護費は、債務の返済に使うためではなく、あくまで最低限度の生活を維持するために支給されるお金だからです。

これに対し、車の保有ついては事業用に欠かせない場合を除いて、生活保護を受ける世帯には原則として、保有を認めない運用になっています。例外的に、障害のある人が通院・通学に利用する場合とか、電車・バスなどの公共交通機関を利用することが著しく困難な地域に住む人が、通勤・通学に利用する場合など、限られた場合にだけ車の保有が認められます。

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生活保護法は何が変わるか研修に参加

今年7月1日に史上最大の改正と言われる新しい生活保護法が施行されました。

本日(7月15日)、日本弁護士連合会(日弁連)の実施するライブ研修「生活保護法は何が変わるか、どう対応できるか」に参加してきました。

高齢化に伴って収入の低いシニア世帯が年々増えていることから、生活保護費を抑えるために改正された新法です。生活保護を受けようとする人、現に受給していて打ち切られる不安を抱えている人など、ぎりぎりのところで生活している人たちの相談に真正面から向かい合う弁護士実務の研修でした。

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大分市の生活保護の収入認定が誤りとした判決(木下敏秀)

収入額を実際より高く設定されたため、生活保護費の支給額が本来得られるはずの金額より少なくなったとして、大分市の大工の男性が、大分市に差額分や慰謝料(損害賠償)計244万円を請求した訴訟の判決がありました。

 男性は1999年から生活保護を受給し、大工道具を運ぶために必要だったことから、車の保有を市に申請したようです。

 生活保護は一定額から収入を差し引いた分が支給されるため、大分市は、規定では処分すべき自動車を男性が保有していることを理由に、県の最低賃金に基づいて算出した額以上の収入があることを条件に保有を認めたとのことです。

 男性の収入はその後低下し、大分市は収入増が見込めないことから転職を勧めたようですが、男性は拒否。車の保有も続けたいと主張したため、市は最低賃金を基にした額の収入があったとみなした上で、本来支払うべき額よりも減額した保護費を支給したとのことです。

 大分地裁は、「生活保護法の目的に照らすと、男性の同意があったとしても、実際には得ていない額を収入額とすることはできない。市の決定は違法だ」と指摘し、2007年3月から12年1月までの差額約190万円に加え、慰謝料50万円、合わせて244万円余りを全額支払うよう命じました。

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