相続税の連帯納付義務

幼少のころお母さんを亡くしたAさんら3人兄弟は、先般死亡したお父さんの遺産を相続しました。

遺産分割が進み、税務署へ申告書を提出したAさんは、自分の相続税を払い終えてほっとしました。

しばらく経って、税務署からAさん宛てに、相続税連帯納付の督促書が送られてきました。

その督促書には、弟Bが相続税を滞納しているため、Aさんには連帯して納付する義務があるという意味のことが書いてありました。

相続税の連帯納付義務とはどんなことでしょうか?

相続税法34条1項は、次のように定めています。
「亡くなった人から相続とか遺贈によって財産を取得した人が2名以上いる場合、相続税については財産を取得した人全員が、相続又は遺贈によって自分の受けた利益の額を限度として、お互いに連帯して納付する責任がある。」という内容です。

相続人の中に、ルーズな人や浪費癖のある人が含まれていると、自分の相続分について相続税納付を済ませたからといって安心はできません。全員の相続税が完納されるまでは、滞納している人の相続税まで納付せざるを得ない仕組みになっていますから、要注意です。

高橋寛

高橋寛

弁護士 高橋 寛(たかはしゆたか)
元検事・元公証人
【主に従事してきた分野】
刑事事件、税務訴訟、交通事故、離婚、相続、遺言、マンションの漏水事故、借地・借家などの事件に取り組んできました。
【著書(共著)】
空き家・空き地をめぐる法律実務(新日本法規出版)
【所属】
愛知県弁護士会所属、同弁護士会「子どもの権利委員会」所属、同弁護士会「人権擁護委員会」所属