訴訟物の異なる請求による消滅時効の中断

平成4年、私は友人Aにお金を貸しました。
しかし、支払が滞りがちでした。

そこで、平成6年、友人Bに前記貸付金の保証人になってもらいました。
その保証契約を明らかにするために、私と友人Bは借用書(金銭消費貸借契約書)の体裁で書類を作成しました。

その後、平成16年、返済がなかったので、私は友人Bに対し、借用書の体裁に合わせて貸金返還請求の支払督促をしました。これは10年の時効消滅を防ぐためにしたものです。

その後も返済がなかったので、更に10年で時効消滅が完成してしまうことから、これを防ぐために、平成26年、借用書の体裁に合わせて裁判をしました。
裁判では、友人Bから、貸付金ではなく保証債務のはずだとの主張があり、私は事実はその通りなので、貸金返還請求から保証債務履行請求に訴えを変更しました。

すると、友人Bからは、先の支払督促は貸金返還請求権の行使にすぎず、自分が負っていたのは保証債務であって、これらは別個の請求権(訴訟物)だから、先の支払督促によっては保証債務履行請求権の消滅時効は中断しないと争ってきたのです。

裁判所は、貸金返還請求権は保証債務履行請求権とは全く異なるもので、支払督促において貸金債権が行使されたことをもって、保証債務履行請求権についても行使されたと評価することはできない、として、時効消滅の中断がなされていない、保証債務履行請求権は時効消滅しているとして、私は裁判で負けてしまいました。

保証であるのに借用書の体裁で書類を作ったのがそもそもの間違いでした。

@最高裁平成29年3月13日判決(判時2340号68頁)

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