高齢者の財産管理②

行政の支援事業や成年後見

Q 夫に先立たれ、一人で暮らしています。子どももいません。多額の財産はなく、年金収入で生活しています。
最近、物忘れが多くなり、足腰も弱くなってきたので、銀行に行って家賃の支払いなどの振り込み手続きをすることがおっくうです。近所の信頼できる人に頼んでもよいのでしょうか。
A 金額の多寡にかかわらず、あなたの大切な財産であることに変わりありません。適切に管理されているかを確認するのが難しい場合もあるので、一般の方に頼むことは勧められません。
Q 弁護士などに依頼すると、契約費用や毎月の管理料でお金がかかると聞きました。そこまでの費用を支払える資産はありません。他に、方法はありませんか。
A 都道府県や社会福祉協議会が実施している「日常生活自立支援事業」という制度を利用できる場合があります。認知症の高齢者など、判断能力が十分でない方が福祉サービスを利用するために必要な援助を受けることが可能です。
また、年金の受領手続きや、家賃や医療費などの生活費の支払い、預金の払い戻しなどもしてくれます。
Q 費用はどのくらいかかりますか。
A 希望する支援の内容や、住んでいる地域で異なりますが、比較的安価で利用できます。
Q 認知症が進み、私の判断能力が無くなったときは、財産の管理や必要な法律行為は誰に頼めばよいですか。
A 家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てる必要があります。選任された成年後見人があなたに代わって、あなたの財産を管理し、ヘルパーとの契約や施設に入所するための契約など、必要な法律行為をします。
Q 本人でないと申し立てはできませんか。
A 申し立ては、本人、配偶者、四親等内の親族などに限られています。しかし、身寄りがなく、本人による申し立ても難しい場合は、市町村長が申し立てることも可能です。
お住まいの市町村にご相談ください。
Q 経済的な理由で、申立て費用や成年後見人の報酬費用を払えない場合、申し立てはできませんか。
A 市町村の補助を受けられることもあるので、お住まいの市町村に相談するとよいでしょう。

平成30年12月17日付 聖教新聞 ここが知りたい!法律Q&A(第82回) 弁護士 福島宏美 より

福島宏美

福島宏美

弁護士 福島宏美(ふくしまひろみ)
【主に従事した分野】
離婚,養育費,婚姻費用 自己破産,未払賃金,遺言
【所属委員会】 人権擁護委員会 労働法制委員会 高齢者障害者委員会
相談者や依頼者の方々の気持ちを代弁し,法的に最善の選択ができるように様々な角度からアドバイスいたします。

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