介護事故

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

Q 老人ホームでは、どのような介護事故が多いですか。
A いろいろありますが、転倒、転落、誤嚥、介護中の事故などの介護事故が多いかと思います。
Q 介護事故が生じた場合、どのようにすれば良いですか。
A 介護事故が生じたとき、本人と話ができるのであれば、その本人から事情を聞いて、事実関係を確認することが大事です。また、施設の方から、事故の原因について説明を聞くことも大事です。この際、少なくともメモを作成すべきです。
Q 施設に苦情を申し出ても取り合ってくれないときは、どうしたら良いですか。
A 施設には、委託を受けた外部機関として第三者委員(ex名古屋市社会福祉協議会 福祉サービス苦情相談センター:電話 052-910-7976)がいますから、ここに苦情申出をすることが出来ます。

それでも納得できない時は、都道府県社会福祉協議会に設けられている運営適正化委員会(ex愛知県社会福祉協議会:電話 052-202-0167)や市町村、国民健康保険連合会(ex愛知県国民健康保険団体連合会:電話 052-971-4167)に苦情を申し出ることが出来ます。

Q それでも改善されない場合は、どうしたら良いですか。
A その場合は、法律専門家である弁護士に相談することが必要になります。
Q 弁護士に相談する上で大切なことは何ですか。
A 弁護士が施設側と交渉や裁判を行う上で重要なことは、事実関係の確認です。よって、本人や関係者からの事情聴取が最も重要なことです。また、施設から行政への事故報告(社会福祉協議会、市町村、国民健康保険連合会への事故報告)がなされていれば、情報公開法などによってその報告書を取得することも大切ですし、施設自体が事故報告書を作成していれば、その正確性は別としてもその報告書を取得することが必要なこともあります。
Q 施設が介護事故関係の資料を出してくれないときは、どうすれば良いですか。
A その場合は、証拠保全という手続で取得することを考えます。もっとも、情報公開の対象となっている場合はそれによることもあります。
Q その後はどのように進められるのですか。
A 収集した資料を基に、施設側に対し、示談交渉の申し入れ、示談交渉が決裂すれば、必要に応じて訴訟という手順に進むことになります。もっとも、訴訟だと時間がかかってしまうことが多いので、裁判所の民事調停や各弁護士会のあっせん手続を利用することもありますが、手続の選択については、弁護士とよく相談して下さい。

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旭合同法律事務所(名古屋)